イラクからの撤兵

今朝の東京新聞

防衛庁は12月に期限切れを迎える自衛隊イラク派遣が延長された場合,来年1月に送り出す部隊を陸上自衛隊東部方面隊(東京都練馬区)とする方針を固め,要員選定などの準備を始めた。東部方面隊は首都防衛を理由に海外派遣の対象外とされてきたが,派遣の長期化に備え,陸自全体で対応する必要があると判断した。

防衛庁は着々と準備を進めている。イラク派遣の延長はこうして「可能」となる。この流れを変えるには,やはり政権交代しかない。幸い,他のことではあまり頼りにならない民主党も,この問題については「年内撤退」を掲げ,自公政権との違いを鮮明にしている。
撤兵後のイラクに対して,どのような復興支援ができるのかについては,よくよく考えなければならない。なにしろアメリカの蛮行を止めることのできなかった同盟国として,重い責任がある。「国際社会において,名誉ある地位を占めたい」と思うのなら,「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」だろう。イラクの人たちが何を求めるのか,そこに向けて最大限の努力をする必要があることは間違いない。
ただ,日本は敗戦以後,アメリカとは違って,平和主義を外交・国際関係の中心に据えてきた国家である。世界を戦争から・軍事から解放する方向を睨んで,イラクの人たちと協力できることがないか,それを考えるべき立場にある。
日本政府にいまいちど「主体性」を回復させるため,私たち有権者ひとりひとりが主体的に行動しなければならない。投票日は,9・11。「もうひとつの世界は可能だ」。