9・11総選挙

出口調査によれば「自民307」だという。歴史的圧勝だ。「誰がやっても同じ」「どうせ何も変わらない」と政治に対して諦めていた人たちが,少なくとも郵政民営化に関しては,小泉なら「やってくれる」「実現する」と期待を持つに至った。その「具体的な変化への期待」が,自民党への広汎な支持となって表れたのだと考えることができる。
自民党郵政民営化に争点を絞り,それが成功したわけだが,新しく選ばれた衆議院議員郵政民営化だけに関わるわけではない。これを「一点突破・全面展開」というのだろう。この議席占有状況を生かせば,自民党は立党50年の節目に相応しく,いくらでも「自民党らしい」政策・法案を打ち出していくことができる。当然,憲法改正への流れも強まることが予想される。
実際には,憲法そのものの改正より先に,準憲法的な法律,例えば教育基本法の改正などから着手されることになるだろう。国防・安全保障に関する基本法や,表現の自由を規制する法律などが上がってくる可能性もある。
平和や人権を重視する立場からすれば,きわめて危険な政治状況が生まれてしまった。300以上の議席を押さえた小泉(森派自民党が,郵政民営化以外に何をやるのか。考えれば考えるほど不安が膨らんでいく。皮肉だが,いまこそ力んで「日本をあきらめない」と言わなければならないのかもしれない。