靖国参拝(2)

小泉首相靖国参拝は,大阪高違憲判決の直後ということもあり,予想通り,「私的」であることを強調するものとなった。今回の参拝を「私的」と断じていいかどうかについてはまだまだ議論の余地があると思う。しかし私は,とりあえずここまで小泉首相を追い込んだことについては,司法が一定の役割を果たしたものと評価しておきたい。
これが「私的参拝」であるということになれば,総理大臣といえども「信教の自由」は保障されるのであるから,靖国問題は最早「憲法問題」ではないことになる。
あとは,歴史認識や,外交・国益の問題として,つまり「政治問題」として,議論されなければならない。
大切なことは,「総理大臣が靖国神社に行っていいのか」ではなく,「靖国神社に行くような人を総理大臣にしておいていいのか」という論点に照準を合わせることである。ここを混同したまま議論していると,いつまでたっても小泉の開き直り戦法を崩すことはできない。