非武装平和主義政党の復活

社民党は今日の常任幹事会で,党の基本政策を「自衛隊合憲論」から「自衛隊違憲論」に戻し,自衛隊の縮小・改編を通じて「非武装国家」を目指す方針を確認した。これは,村山内閣当時の「転向」を完全に否定するもので,きわめて重大な路線(再)転換となる。村山「転向」声明によって「現実的になった」と評価された経緯を踏まえれば,あらためて「非武装」を選択することについては,しっかりとした説明が要求されるだろう。また,その要求にしっかりと応えられるかどうかで,今後の社民党の評価も決まってくるものと思われる。
この決断により,社民党の政策は論理的強度を増すだろう。すっと一本筋の通った護憲−平和主義政党として,その個性・特徴が今まで以上にくっきりと見えるようになると思う。民主党との差異はいよいよ明白となる。
しかし,「非武装」への道のりを具体的かつ現実的なものとして描き出すことができるだろうか。それができなければ単に「夢見る人たち」と笑われて終わってしまうかもしれない(私はそれでも十分に意義があると思う)。できれば多くの,平和構築の研究者や実践者たちが,この政党の新たな挑戦を「知的に」支援し,非武装平和主義を,実際に選択可能な政策として,練り上げていってほしいと強く願う。