国民投票法案 衆院通過

衆議院を通過した国民投票法案には,問題点が2つある。前にも書いたが,くりかえす。

1.最低投票率規定がない。
最低投票率の規定を設けて,それに満たなかった場合は投票全体を無効とし,改憲原案を廃案とするような手続を定めておいたほうがいい。国民の広く・確かな支持がないとき,権力側の発案で憲法を改正することには慎重でなければならないと考えるのが,立憲主義的だと思う。

2.CMを制限している。
CM制限だけで「金の力」を排除できると考えるのはあまりに楽観的であり,この制約にはプラスの意義が見出しにくい。一方,投票直前のCM禁止期間中,さまざまなメディアが「CMとみなされないように配慮する」ことが予想され,必要な情報が供給されない状況を生み出す可能性が高い。国民が,少ない情報をもとにして判断しなければならなくなる事態は,避けなければならない。CMを含め,一切の規制を外して,改憲案に関する十分な情報が容易く摂取できるように整備すべきだ。